Vol.98 絶景かなぁ 南禅寺 |
05.5.28訪問/6.12掲載 |
![]() ![]() その魅力は、広い境内をとりまく緑と水。安らぎを感じます。 境内に入ると、まず驚くのは大きな三門です。高さは22m。石川五右衛門の「絶景かな」というセリフで有名な舞台です。初めて見たときは、あまりの大きさにしばらく立ち尽くしました。門の上からは市内の町並みが見渡せますが、ビルが建ち並び、とても絶景とは言えません。時代はすっかり変わってしまったのです。 ![]() 気を取り直して、秋にはモミジが真っ赤に色づく参道を通り、まず法堂(はっとう)へ。中を覗くと、建仁寺にもあった龍の天井画。禅寺にはお決まりのようです。静かに合掌すると、水の流れる音と線香の匂いの調和を感じました。 次は方丈(国宝)へ。枯山水庭園は、白砂が多く、壁際に樹木や石を集め、広々としています。手前の石組を虎の親子に見立て、「虎の児渡し」と呼ばれています。江戸初期、桂離宮や二条城などの庭園を手がけた小堀遠州の代表作です。 ![]() 方丈を出ると大きなアーチの水路閣がありました。どうしてローマの水道橋が? 実は、これは明治時代に琵琶湖から水を運ぼうと造られた琵琶湖疎水の水道橋。今も現役です。赤茶けたレンガが周囲の緑と調和して、日本近代化の歴史を物語る風景です。 伝統ある南禅寺にも押し寄せた近代化の波。その見事な調和が南禅寺を一層魅力的にしています。 |
写真(上から)南禅寺三門とみとー/南禅寺の方丈庭園/水路閣 |