Vol.21 二月、二の丸、二条城
04.2.24訪問/2.26掲載
 京都は神社仏閣だけじゃありません。お城もあります。そうです、二条城です。
 徳川初代将軍の家康が、京都御所の警備と上洛の際の宿泊所として建てて以来、最後の将軍、慶喜の大政奉還まで、徳川250年の歴史が詰まった場所なのです。

 まず、驚くのは大きさです。面積は27万5000u。東京ドーム約6個分です。中の建物は二の丸御殿と本丸御殿の二つに分けられますが、政治の中心だった二の丸御殿(国宝)だけでも、33部屋、畳にして800畳の広さです。
 二の丸御殿に入ると、すぐに聞こえてきたのは、「きゅっきゅっ」という甲高い床の音。有名な鶯張りです。団体さんが通るとあちこちから聞こえ、たちまち鶯の大合唱となりました。
 室内で一際目を引くのは、狩野一門によってすべての部屋に描かれた襖絵です。虎や鷹をメインにしたもの、季節の風景を描いたものなど、美術館のように様々な襖絵を楽しめます。私の目に焼きついているのは、大政奉還を発表した大広間に描かれた松の絵です。襖の枠など全く気にせず、端から端まで一本の松が枝を伸ばし、その勢いは止まりそうにありません。徳川家の繁栄を象徴しているようでした。


 お城といえば、天守閣なのですが、本丸御殿にあったものは、落雷で焼失してしまいました。しかし、二条城は砦というよりも政治の意味合いが強いので、御殿だけでも十分見応えがあります。庭も広く、四季折々の花が楽しめるのですが、今はちょうど白梅が満開を迎えていました。二月というシーズンオフの静けさの中で、梅の甘酸っぱい香りに包まれながら、城の石垣を眺める……贅沢な時間を満喫しました。
写真(上から)二条城とみとー/二条城二の丸庭園/二条城の白梅