Vol.48 初夏、花のカノン
奈良・花めぐりシリーズU           04.5.26,6.14,29訪問/6.30掲載
 もうすぐ梅雨明け。でも、その前に、奈良では初夏を彩る花々が順番に満開を迎え、花のカノン(輪唱)が見られました。
 5月下旬、バラ園が有名な
大和郡山市の松尾寺を訪れました。人気の少ない山の斜面に静かにたたずむお寺です。日本最古の厄除け寺で、修験道の寺として栄えました。お目当てのバラ園は、境内の裏手にあります。500株あるバラの花々。一つ一つが自己主張しています。静かなお寺とは対照的に、華やかな西洋の雰囲気が漂っていました。

 6月中旬、田んぼに苗がスタンバイ。梅雨の晴れ間に見に行ったのは、アジサイです。松尾寺の近くにある矢田寺は、アジサイ寺として有名で、この時期は臨時バスも出るほどにぎわいます。評判どおり、境内はアジサイで埋め尽くされていました。8000株あるそうです。花に守られるように立っている大小のお地蔵様も、心なしか嬉しそう。パステルカラーの色調がとても可愛らしく、早速、今日のために着てきた紫色の洋服で、記念撮影しました。

 アジサイがそろそろ終わりを迎えた頃、ラベンダーが咲き始めます。6月末に明日香村の南、高取の壺阪寺を訪ねました。北海道のイメージにはとても及びませんが、高さ20mの巨大観音像とラベンダーは、奈良らしい組み合わせです。時折吹く風に、ラベンダーのさわやかな香りが運ばれてきて、心地よい時間を過ごしました。
 空には、もくもくと入道雲が現れ、もうすぐやってくる本格的な夏の予感を告げていました。
写真上から)松尾寺のバラ/矢田寺のアジサイとみとー/壺阪寺のラベンダー