Vol.67 高〜い 京の「秘宝」
第40回京都非公開文化財特別拝観      04.11.7,8訪問/11.14掲載
 京都では、秋と春に「非公開文化財特別拝観」があります。普段は非公開の寺院や庭園が見られるラッキーな催しです。今秋は18ヵ所が公開され、7ヵ所を訪れました。

 東寺の五重塔(国宝)は、最下層の内部が公開されました。国内の古建築で最も高い塔は、中央の心柱と周囲4本の柱で支えられています。仏像が計12体置かれ、柱や壁には極彩色の龍や花が描かれていました。
 東寺では、境内の小子房
(こしぼう)も公開。弘法大師が高野山に出発した際、足跡から蓮華の花が咲いたという蓮華門(国宝)も見ることができました。
 次は、智恩院東福寺の三門(いずれも国宝)です。どちらも作りがよく似ています。知恩院は釈迦牟尼、東福寺は釈迦如来を中心に、両側に8体ずつの十六羅漢が並んでいました。十六羅漢とは釈迦の弟子たちで、その様子は、聖書の「最後の晩餐」のようでした。
 ほかに東福寺・龍吟庵のモダンな枯山水、仁和寺金堂(国宝)と観音堂の仏像と壁画、南禅寺・大寧軒にある三角鳥居の庭を訪れました。


 特別公開だけあって、保存状態は抜群。地元の大学生たちが案内してくれるのも魅力です。「文化財を次の世代に残しましょう!」と心をこめて話す学生の初々しさにジーンときました。しかし、ただ1点残念なことがあります。拝観料はなんと1ヵ所800円。7ヵ所で計5600円也。いくら貴重といっても、古都ファン泣かせじゃありませんか。
写真上から)東寺小子坊の庭園・蓮華門とみとー/知恩院三門
/東福寺三門/南禅寺大寧軒の庭園