Vol.64 京の教科書 時代祭 04.10.20訪問/11.1掲載
 時代祭は、京都の歴史ダイジェスト。明治維新からさかのぼり、京に都が置かれた平安時代までの歴史を当時の装束そのままに再現しています。坂本龍馬、吉田松陰、豊臣秀吉、静御前、紫式部、小野小町・・・、京都にゆかりのあった歴史上の人物が次々と登場し、まるで大河ドラマ。出発地点の京都御所で観覧しました。

 この時代祭は京都三大祭の一つ。しかし、葵祭祇園祭とは、時代も目的も違います。というのも、明治維新で東京に遷都された後、衰退した京都を復興させるために考案された、いわば町おこしなのです。遷都1100年、平安神宮が創建された1894年に始まりました。今や2000人の大行列です。祭りにかけた市民の熱意と誇り、常に、古いものに新しいアイディアを加えて独自の文化を生み出していく発想力。京都のパワーに感心しました。

 桂小五郎、西郷吉之助、坂本龍馬、高杉晋作・・・。京で活躍した幕末の志士が歩いているその時、突然、「坂本龍馬は革靴だ!」と誰かが叫びました。よく見ると、体格のいい龍馬役の男性は、ニコニコ愛想を振りまきながら革靴で歩いていました。その姿は龍馬の性格をよく表し、印象に残りました。
 大行列は、京の歴史の教科書。江戸幕府を開いた徳川家康や後醍醐天皇を吉野に追いやった足利尊氏は登場しません。平安神宮を目指し、最後尾が通り過ぎたのは、2時間後でした。
写真左:上から)維新勤皇隊列/豊臣秀吉/清少納言と紫式部(右)時代祭の列とみとー