Vol.63 明日香村 駆け抜けて
 04.10.16訪問/10.22掲載
 飛鳥時代の英雄が聖徳太子だとすると、悪役として語られるのが蘇我馬子です。しかし、飛鳥の里では、むしろ蘇我氏がドラマの中心なのです。
 
 高松塚と並び有名な石舞台古墳は、馬子の墓といわれています。しかし、馬子の横暴さから後にはがされたとか・・・。
これまで見た石造物の中でも一際大きい石が積まれています。石舞台とは、よく言ったものです。中はがらんとした空洞ですが、石の隙間から入ってくる一筋の光に歴史のロマンを感じました。どうして石の古墳があるのか、馬子は何者なのか・・・。

 山中に立つ岡寺に立ち寄りました。日本最大の塑像の如意輪観音坐像に手を合わせて一休み。この岡から遠くに稲穂がきらきら輝いていました。
 田園の真っ只中に史跡がありました。板蓋宮(いたぶきのみや)跡です。ここは、大化の改新の舞台。馬子の孫の入鹿が暗殺された場所です。
 今度は竹やぶの中に、またまた謎の石造物を発見しました。「酒船石」といい、表面に人体の形のような溝が掘られています。宇宙人との交信か?と思ったら、水を送る施設なのだそうです。
 
 サイクリングの終点は、馬子が発願した飛鳥寺。中には、日本最古の仏像が安置されています。馬子は、歴史上は悪役ですが、日本仏教界においてはヒーローでした。百済から来た仏教を保護したのは、他ならぬ馬子なのです。この寺の近くにポツンと立つのは、入鹿の首塚です。今にも沈もうとする太陽が、寂しくこの塔を照らしていました。
写真上から)飛鳥大仏とみとー/石舞台古墳/酒船石/入鹿首塚と飛鳥寺(奥)