Vol.60 満腹! 伊勢参り
 04.10.11訪問/10.19掲載
 秋の観光シーズン真っ只中! 伊勢神宮に行ってきました。「お伊勢さん」の名で知られる伊勢神宮には、天照大神を祀った内宮(ないくう)と、その朝夕の食事を司る神様・豊受大神を祀った外宮(げくう)があります。どちらも立派な杉木立の奥に、社殿がたたずんでいました。

 内宮の参道には、古い街並みが残されています。食堂や土産物屋がずらりと並び、どんなお店があるのか見ながら歩くだけでも楽しい道です。
 昔から、旅といえば食。私が最初に入ったお店は、名物・伊勢うどんです。こしのないヌルッとしたうどんで、濃いたれがかかっています。讃岐うどんとは対照的で、四国出身の私には、どうしてもなじめませんでした。デザートは、やっぱり赤福。外側のきめ細かく練られたあんこと、中の軟らかいおもちの相性は抜群です。英虞
(あご)湾で食べた本場の手こね寿司は、醤油で味をつけた酢飯の上に新鮮なカツオの刺身がのったちらし寿司です。地元では素朴な漁師の味も、私には贅沢な一品でした。
 江戸の人々と同様、私もお腹いっぱいのお伊勢参りを楽しみました。

 
ところで、伊勢神宮は、メーンの正宮に入れるのは天皇家のみ。私たちは、柵の外から中をのぞくしかできません。そこが、一般人を救う仏教と、天皇を称える神道との違いなのだと思いました。でも、それでもいいのかもしれません。お伊勢参りの目的は、他にもあったのですから。
信仰が目的の熊野詣と違って、遊びの要素が加わったお伊勢参りは、江戸時代中ごろから盛んになりました。日本の観光は、ここから始まったのです。
写真(上から)伊勢うどん・赤福・手こね寿司を食べるみとー/伊勢神宮の内宮/同じく外宮