Vol.46 こけ・コケ・苔・・・西芳寺
04.5.22訪問/5.25掲載
 苔の庭が有名な西芳寺(別名・苔寺)。ずっと行きたかったのに、時間がかかってしまいました。拝観の1週間前までにはがきで申し込まなければならない上、拝観料は1人3000円。季節、天気、曜日。日程選びは慎重になりました。

 京都駅でタッチの差でバスに乗り遅れました。走って追いかけると、バスは2度信号待ちになり、次のバス停で追いつきました! 西芳寺は、バスの終点。道が混んでいたので、予定時間を数分過ぎてしまいました。
 本堂に入ると、僧侶と参加者が般若心経を唱えていました。そして、写経。これをしないと、苔の庭に行くことはできないのです。写経は生まれて初めてでしたが、文字1つ1つを書くことで、このお経に込められた意味が見えてくるから不思議です。キーワードは「空」「無」。仏教はあらゆるものを打ち消し、主観を持たない空っぽの心であれ、という教えなのだ、と捕らえました。

 写経で気持ちを落ち着かせ、待ちに待った庭園に足を踏み入れました。見渡す限り苔・苔・苔…。地面はもちろん、木の幹や岩の上まで苔・苔・苔。木々の葉が庭園全体を覆い、苔を直射日光から守っていました。中央には池があり、無言で周囲の景色を映し出しています。聞こえてくるのは、境内の脇を流れる西芳寺川の流れと、ししおどしの音だけ。苔が作り出す神秘的な光景に魅せられて、無心になれた気がしました。

 帰りに寄った華厳寺(別名・鈴虫寺)には驚きました。広間には若者を中心に参拝客・客・客…。無数の鈴虫が水槽に飼われ、美声を響かせますが、他に見所なし。ただ、願いを叶えるというお地蔵様が人気で、お守りが飛ぶように売れていました。
写真上から)西芳寺の庭園/初めて挑戦した写経とみとー/華厳寺の幸福地蔵