Vol.32 嵐山、パッチワークの桜山
「さくらの名所100選」                  04.4.4訪問/4.21掲載
 嵐山。鴨川と並ぶ京都を代表する川、桂川。この風景は、8年前に訪れたときも、今も変わらない流れです。紅葉の美しさは有名ですが、実は、桜の時期も素晴らしいのです。
 新緑の山は、パッチワークのように所々がピンクに染まっています。桂川沿いにソメイヨシノやシダレザクラが満開でした。
 さらさら流れる川のほとりに腰を下ろし、嵐山のシンボル・渡月橋越しに山を眺めました。川では多くの人がボートで遊んでいます。カップルからは写真を頼まれました。しっとりとした大人の秋とは対照的に、弾ける春の嵐山もいいものです。
 
 さて、嵐山一帯は、昔、天龍寺の境内だったそうです。天龍寺は、室町時代に足利尊氏が、吉野(奈良)で亡くなった御醍醐天皇の霊を慰めるために建立した禅寺です。2002年のJR東海のキャンペーン「そうだ 京都、行こう」でポスターにもなった龍の天井画がある所です。残念ながら、この画は期間限定で見られませんでしたが、庭園のシダレザクラは一見の価値があります。
 樹齢80年。いくつもの枝を大きく四方に張り巡らし、一様に雪のような花をつける様子は、永年生き延びてきた風格を感じさせます。奥にはソメイヨシノなど約200本の桜が植えられ、高台から眺めると桜の林ができていました。この庭園は回遊式で、遠くの亀山を借景として見事に取り込んだ庭は、広がりがあり、特別名勝にもなっています。
 
 いつ来ても混んでいる嵐山。今度は紅葉の時期に来ようかな、……もっと大混雑するんでしょうね。
写真(上から)嵐山の桂川の河原とみとー/天龍寺の竜の絵/天龍寺のシダレザクラ