Vol.28 桜と金魚と郡山城跡
「さくらの名所100選」                  04.3.31訪問/4.3掲載
 桜が一番似合う場所といえば、お城! 私も、学生時代、愛媛の松山城で毎年お花見したことを思い出します。

 実は、奈良にもお城がありました。奈良市の隣・大和郡山市の郡山城です。「洞ヶ峠を決め込む」で知られる戦国時代の武将、筒井順慶が築城しました。現在は、追手門と二つの櫓が復元されているだけですが、見事に組み合わされた石垣とそれを取り囲むお堀は健在です。今まさに、そのお堀に沿って一斉に桜が咲き、一年中で一番美しい時期を迎えています。桜の木の下では、平日なのに、多くの人が城下を眺めながらお弁当を食べていました。

 さて、城跡にある神社の前で、おもしろいものを見つけました。お堂に沿ってずらりと並ぶ金魚の水槽です!大和郡山市は金魚で有名なのです。近くに養殖場があると聞き、行ってみることにしました。歩くこと約15分。長屋風の家が立ち並ぶ狭い路地を抜けると、突然視界が開け、水をたたえた田んぼのような区画が遠くまで広がっています。目を落とすと、緑に濁った水の中で無数の赤い金魚たちが元気に泳ぎまわっていました。「うわ〜これが養殖場なんだあ!」と、思わず寄っていくと、金魚たちは、あっという間に消えてしまいました。柵があるわけでもなく、家の裏庭に普通に存在する様子がとても面白く、金魚の町を物語っていました。締めくくりに、郡山金魚資料館(入場無料)を訪れました。
 毎年、8月には全国金魚すくい選手権大会が開かれるそうです。今度はその時期に来て、金魚で盛り上がる町と、緑美しい郡山城跡を見てみたいと思いました。
写真(上から)郡山城跡とみとー/桜が満開の郡山城跡/郡山金魚資料館の金魚