Vol.20 三条通、ハイカラさん参上
04.2.18訪問/2.25掲載
 碁盤の目のように通りが配置されている京都市内。地下鉄・烏丸御池駅で降りて、鴨川へ向かって三条通を散歩しました。ここは、京都の近代化を色濃く残す建物が数多く残っている通りです。


 まず、目に留まったのは、旧京都郵便電信局(中京郵便局)です。赤レンガと白御影石の組み合わせ、飾り窓などが美しく、ヨーロッパの宮殿を思わせます。でも、外観とは裏腹に、一歩中へ入ってみると、どこにでもある普通の郵便局に改装されていました。

 隣は、旧日本銀行京都支店(京都文化博物館、重文)で、中を見学できます。エントランスホールの天井は、現在の3階建てに相当する高さです。豪華なシャンデリアがぶら下がり、まるでダンスホールのよう。アールヌーボー風に曲線を生かして装飾されたカウンター窓からは、当時の賑わい振りが聞こえてくるようでした。
 六角形の塔がシンボルの旧日本生命保険京都支店(日本生命保険京都三条ビル)、丸いアーチが特徴の旧家辺徳時計店(京都タカシンカンパニー)、柱をうまくデザインに取り入れた平楽寺書店、符号の別荘を思わせる旧西村貿易会社(次田染織)・・・。地図を片手に夢中で歩き回り、いつしか三条通界隈のハイカラさんになった気分でした。

 古い建物も所々で見られるものの、三条通には現代的な建物がたくさん並んでいます。しかし、今も昔も変わらず、人通りの多い賑やかな通りです。
写真(上から)旧日本銀行とみとー/旧京都郵便電信局/旧家辺徳時計店/旧京都大毎会館