Vol.18 酔ってらっしゃい大安寺 04.1.23訪問/2.6掲載
 「おーっとっとっと!」
 竹筒の杯になみなみと注がれたこのお酒が、がん封じになるといいます。


 ここは奈良市の大安寺。その昔、南都七大寺の一つとして栄えました。その昔、光仁天皇が、中国の故事に従って、境内の竹林で酒(ささ)を飲んだら長生きした、ということから、毎年、命日の23日に、笹酒を振舞うようになったそうです。
 普段は静かな境内も、臨時バスがでるほどのすごい賑わいです。特にお年寄りが多く、まるで「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる東京・巣鴨にいるようでした。

 しかし、このお酒、無料というわけではありません。3000円(!)で祈祷をしてもらうとついてくるおまけなのです。半ば仕方なく、申し込みました。
 祈祷は、太鼓が打ち鳴らされる本堂で、お坊さんに鈴のついた棒で、背中をぽんぽんと打ってもらうだけ。ものの5分で終了です。その後、竹の杯を受け取り、笹娘から酒
(ささ)を注いでもらいます。酒は、1mほどの竹筒に入り、焚き火で温められたもの。一気に「ぐいっ!」と飲み干しました。ほんのり甘い味。よく効くように、3回もおかわりをしてしまいました。なにせ3000円ですからね!
 
 ほろ酔い気分で、次に訪れたのは、安産祈願で有名な帯解寺
(おびとけでら)です。美智子皇后や雅子妃殿下も祈願されたそうです。本尊の地蔵菩薩は、おなかの部分に帯を結んでいる大変珍しいもの。なるほど!これが帯解寺のいわれなのだと分かりました。
写真(上から)大安寺の本堂/酒を注いでもらうみとー/帯解寺の本堂