Vol.4 鳳凰堂、空に舞うが如し 03.11.12掲載
 真っ青な秋空に誘われて向かったのは、京都と奈良の間にある宇治。 宇治橋のたもとでバスを降りると、真っ青な宇治川が迎えてくれました。宇治は、「源氏物語」宇治十帖 の舞台としても有名です。

 香り高い宇治茶のお店が並ぶ参道を行くと、平等院に着きました。なんと言っても十円玉に描かれた鳳凰堂。中央のお堂はどっしりと、両翼は軽やかに。まさに鳥が羽を広げて、今にも秋空に向かって飛び立ちそうです。
 平等院は、1052年に関白・藤原頼通が、父・道長の別荘を寺に改め創建。翌年、この阿弥陀堂を建立、江戸時代に鳳凰堂と呼ばれるようになりました。教典に描かれる極楽浄土をイメージしているそうです。どうりで、あまりの優雅さに、世俗を忘れて天国にでも迷いこんだような感覚になったわけです。
 お堂の中に入ってみました。正面には、優しい顔の阿弥陀如来像が、咲き誇る蓮の花の上に座っています。その上には、細かい透かし彫りで作った黄金の二重天蓋。四方の白壁には、雲にのって軽やかに舞ったり演奏したりする菩薩たち。美しさの限りを尽くした鳳凰堂は、藤原時代の栄華を示す最高傑作です。

 宇治川を渡り、林の中を上っていくと、もう一つの世界遺産、宇治上神社が見えてました。平等院と対照的に小さくひっそりとたたずむ神社ですが、日本最古の神社と言われ、拝殿と本堂は国宝です。
 やっと色づき始めた紅葉を眺めながら、旅の最後にほどよく苦い宇治茶を頂きました。
写真(上から)平等院鳳凰堂/宇治茶を飲むみとー/宇治上神社